子供の頃から、超能力や特別な力、特別な才能、容姿。いわゆる「厨二病」みたいなものに憧れていた。

 

しかし、大人になって自覚する。「自分はどこにでもいる普通の人間なんだ。」と。

 

それでもどこか本当は人と違う「特別なところ」があるのでは?と考えてしまう。そして、結局はどこにでもいる空気みたいな人間、いや、それよりも「さらに下」なんだと自覚する。

 

嫌でも自覚する。「自分は特別な人間じゃないんだ。何もないんだ・・・」と。

 

70億人もいるのだ。自分はどこにでもいて、いつ消えても誰も気づかない凡人。替えの利く歯車。きっと同じような事を考えて挫折して生きている人もこんな気持ちなのかもしれない。

 

凡人以下でも生きていかなければならない。モヤモヤしてどうにもならない気持ちと一生付き合っていかなければならない。

 

それが苦しい。悲しい。辛い。泣きそうだ。「特別な存在」になりたかったのに。カッコいいし、憧れるような存在に。でも、なれないんだろう。どうせ無理だ。あきらめろ。

 

「自分がいつか特別な何かになれるといいな。」そう願うだけの人生は、何も運んできてはくれない。いくつになっても、何も。

 

だけど、始めてみよう。人生の舞台に立ってみよう。

 

舞台に立たないものは、「自分が何者なのか」にすらなれずに、終わる。それは笑われる事もないし、ヤジも飛ばない。みんなもそうだから。みんなと同じ。

 

気づかない事は幸せなのかもしれない。選択肢が少ないほうが楽なんだろう。考えない事は、割り切る事は楽なのかもしれない。しかし、気づいてしまったなら、ずっと抱えて動けないまま年を取っていくくらいなら挑戦したい。

 

観客はいなくても、自分で舞台を用意して、一度は立ってみよう。新しいきっかけは掴めるかもしれない。結果は酷いものかもしれない。残酷な現実を見せつけられ、今より絶望するかもしれない。痛みを伴うかもしれない。何者にもなれないかもしれない。それでもやってみたいと思った。

 

「停滞」はもう終わりだ。冒険してみよう。自分が何を残せるのか、何になれるのか、探してみよう。