受け継ぐものは形のある財産だけではない

遺産相続で祖父母の建てた一軒家と、叔父の遺産を相続した私ですが、富などの「形ある財産」だけを受け継いだわけではありません。

 

遺産相続で受け継ぐのは、歴史です。

 

世の中には、どこの誰であれ、歴史を持っています。長く生きてそれが子孫に受け継がれてきた。それが今、存在している私達でもあります。

 

もちろん世の中には本当に、土地や財産といった「表面しか見ない人達」ももちろんいます。そしてそれが一番大事だと考える人が多いのもまた事実です。

 

私もその考えは否定しません。自分がこの先どうなるのか分かりませんから。

 

相続した本人が受け継ぐのは、歴史そのものです。この歴史を受け継いだ時、本当の意味で私は「相続人」になったのです。

 

本当の意味で相続をするという事

私は歴史を受け継ぎました。築55年の私の暮らす家には、私が生まれる前から母の実家としての歴史があります。

 

祖母は私が子供の頃、嬉しそうに障子を破って報告していたと満面の笑みで言っていました。

 

祖父もよく私を撫でていました(私は撫でられるのがあまり好きではありませんでしたが)。

 

祖父、祖母、母、叔父の暮らした家は、私が今は引き継いでいます。幼い頃から何度も遊びに来ていた家を、いつか引き継いで暮らしたいとボンヤリ語った事を彼らは覚えていて、何十年も後、私が30歳を過ぎた頃に私は受け継ぎました。皆亡くなっていますが、私の記憶にある彼らは生きています。

 

財産だけでなく、今の家に残る思い出という「遺産」を引き継ぎました。

 

私が生きていて時々思い出す事

 

これこそが本当の意味で相続なのだと実感しています。