成功体験は当てにならない

成功体験というものは当てになりません。なぜならその時、その状況と全く同じなんてことはもう二度と起こらないのです。

 

成功体験の時と同じ人、同じ月、同じ人数、同じ世代、同じ思考の傾向。そんな人間が揃うこと自体が奇跡です。

 

その時成功したことが、また同じやり方にこだわっても成功につながるとは限りません。

 

過去の成功体験が活かされるのは技術や研究である

逆に成功体験が活かされるのは技術の方です。まぐれでできた技術を、また同じようにできるようになる。これはあり得ます。

 

成功体験の時と同じ材料、同じ技師、同じ月、同じ人数、同じ世代、同じ思考の傾向。揃ったとしたら技術の成功確率は上がります。

 

また、過去の成功体験から一部を活用し、異なる方法を取り込むと成功する事があります。

 

ではなぜ、このような違いがあるのでしょうか?

 

対象によって違う

例えば会社の成功や人材育成の成功など、これらは自分の過去の成功体験が適用されることはほとんどありません。理由は簡単で、対象が人間だからです。

 

人間は誰もが生まれた年も、育った環境も、思考の傾向もみんな違います。遺伝子を引き継いでいる子供ですら考える事は親とは異なります。これは人間の人格は遺伝子だけではなく、育った環境にも影響されるからです。

 

だから誰かの過去の成功体験を対象に当てはめようとしても、当てはまるわけがありません。

相手はあなたではないし、技術や商品と違って、あなたのように今まで生きてきた相手なりの体験からくる思考や自我があるから、あなたの過去の成功体験を当てはめても通用しません。

 

過去の成功体験が適用されるのは、対象が技術や研究、商品など、物などの対象が人ではない時だけなのです。

 

しかし、研究や技術なども日々進歩しているので、いつまでも過去の成功体験で止まっていると、自分の過去の成功体験が適用されることはなくなっていきます。

 

成功体験にしがみつくとどうなるのか

成功体験に囚われすぎると、失敗を恐れるようになり、他の方法を試そうとしなくなります。挑戦精神を忘れてしまうのです。

 

あなたはなぜ成功したと思ったのですか?それはその時、自分にとって新しい事に挑戦したからではないのですか?

 

成功すると人から称賛されます。しかし、次で失敗すると人は離れていく。だから失敗を恐れてその時に成功したパターンに固執する事が多いのではないですか?

 

あなたが成功した時にだけすり寄ってくる人は、あなたの事なんてどうでもいい。あなたの「成果」にしか興味のない人です。成果を出したのが他の人なら他の人のところへ行きます。

 

そんな人に好かれて、「俺から離れないでくれ!」なんてすがるの、情けないのではないですか?そんな人たちにこだわっていたら、成功しても失敗しても離れないでいてくれる「本当の友人」すらあなたを見捨てる事に繋がります。

 

あなたが成功した時には、挑戦する勇気があったからです。その勇気が自分の中にある事を忘れなければ、他人からどう見られようと、自分の人生に充実感が得られるでしょう。

 

 

参考資料

性格に与える遺伝的要因と環境的要因に関する考察 人文66巻3号(浮田徹嗣)PDF(黒線の文字でweb検索すれば出てきます)

統計の再現性、再現性のある実験をする方法